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「第30回シールラベルコンテスト」結果発表

2020.10.16

経済産業大臣賞は精英堂印刷(東北協組)が6年ぶり6度目の受賞

当連合会は10月16日(金)「第30回シールラベルコンテスト」の結果を発表した。
本来ならば、同日開催予定の第62回年次大会・東京汐留大会(ベルサール汐留)にて発表・表彰式を行う予定でしたが、コロナ禍の影響で同大会は中止となったために結果発表を誌面で紹介します。
同コンテストは7月1日から8月20日を応募期間として開催され、全国の組合員・会友から、53社98作品(昨年57社101作品)の応募があった。このうち応募に際して特別な制限がなく技術・デザイン両面を評価する自由課題には31作品(昨年38作品)、連合会の技術・特許委員会が用意した版下データを用いてレタープレスの技術を競う規定課題の平圧部門は29作品(昨年25作品)、同輪転部門への応募数は38作品(昨年38作品)だった。
同コンテストの第1次審査はコロナ禍の中、8月28日(金)京都市・京都市下京区のメルパルク京都4F会議室において、技術・特許委員5名、京都協組の前技術委員西野恒雄氏、連合会田中会長の2名を含めた7名が参加して行われた。
同審査会では、最初に鶴田委員長から審査基準の説明があって、「基本技術点」「応用力」を審査・採点して上位21作品を選んだ。
第2次審査は、9月3日(木)東京・上野精養軒において、一般社団法人日本印刷産業連合会3名、全日本シール協賛会3名、計6名を審査員として招き開催して、経済産業省の当担当課の冨田課長補佐がオブザーバーとして参加した。
審査員は、第1次審査会で得点上位の自由課題21作品に、印刷技術やデザイン等を評価して最も優秀と思われる作品を1つ(5点)、優秀と思われる作品を3つ(各2点)選出した。その後、第1次審査の得点に第2次審査の得点を加算して第1位が経済産業大臣賞、第2・3位が経済産業省商務情報政策局長賞、第4位と規定課題第1位が一般社団法人日本印刷産業連合会会長賞、第5位と規定課題第2位が全日本シール印刷協賛会会長賞に決定した。この結果、経済産業大臣賞は精英堂印刷梶i東北協組)の作品となり、同社は6年ぶり6度目の受賞となった。

自由課題部門別応募作品数

部門@ レタープレス(平圧式凸版印刷) 1作品
部門A レタープレス(円圧式、輪転、間欠式輪転凸版印刷) 11作品
部門B オフセット 4作品
部門C 複合(2機種以上の印刷機を使用)ホットスタンプ、及びエンボス 7作品
部門D デジタル印刷 2作品
部門E その他(シルクスクリーン、フレキソ、グラビア、及び@〜Cに該当しない場合) 1作品
部門F アイデア開発部門(版式、機種、通し回数は問わない) 5作品

協組別応募社数

  北海道 東北 正札 ラベル 神奈川 東海
北陸
京都 大阪 九州
第30回 1社 5社 12社 2社 2社 5社 6社 15社 5社
第29回 2社 5社 12社 5社 2社 4社 6社 13社 8社

第30回シールラベルコンテスト応募状況(確定版)

応募社数 53社(57社) 作品数 98作品(101作品)
自由課題 31作品(38作品) 規定課題 67作品(63作品)
平圧29作品(25作品)
輪転38作品(38作品)
北海道 1社3作品 東海北陸 5社9作品
東北 5社13作品 京都 6社9作品
正札 12社22作品 大阪 15社26作品
ラベル 2社5作品 九州 5社7作品
神奈川 2社4作品    

(  )は昨年値

北海道協組:款モクニ、
東北協組:棺トー、精英堂印刷梶A進和ラベル印刷梶A津軽印刷梶A轄kエシール、
正札協組:棺トー、三協シール印刷梶A愛媛紙販鞄結梹x店、澗カラ、サトーインプレス梶Aシーベル産業梶A澗カヨシ、大輪印刷梶A且R梨シール印刷、東和マーク梶A山王テクノアーツ梶A鞄c中シール印刷、
ラベル協組:棺ンメック、興ン技研
神奈川協組:旧[佑社、干スカ
東海北陸協組:且O共シール、古川印刷梶A名工銘鈑梶AユーシンSL梶A棺トー
京都協組:椛蜥ホシール印刷、葛椏sシールレーベル、三浦シール印刷梶A鞄圏mレーベル、恭ートレーベル、共栄紙工
大阪協組:カンサイタカラ印刷梶Aアサヒラベル梶A滑ロ紀印刷、橋ムユープリント、西田印刷所、ヤマックス椛蜊纃H場、轄笂c産業、澗゙イキョウ、鞄東社、褐b比須堂印刷、肝゚ライム・ハラ、ラベルック株式会社、棺トー、谷口シール印刷梶A干イワ、
九州協組:滑ロ信、兜珠印刷、棺ニー・シーリング、拒蜿ケ印刷所、棺トー

第30回シールラベルコンテスト講評

経済産業大臣賞 作品404 複合印刷

桜の花びらとピンクの額縁がとても映える日本酒のラベルです。銀ツヤホイル紙を使って月の輝きを表現していますが、和紙ラミネートの下層と上層に印刷を分けることによって桜の花がより引き立つように工夫されています。こういった表現は印刷オペレータの技術だけでなく、どのような加工をすればどのような表現が出来るかをデザイナーが理解していないと上手くいきません。被着体の瓶の色が緑色という事もあり、色映えも良く印象に残ります。印刷の調子ももちろん問題なく、総合的にひと際目を引いたこちらの作品が経済産業大臣賞に決まりました。

経済産業省 商務情報政策局長賞 作品203 レタープレス(間欠式輪転凸版印刷)

こちらも日本酒のラベルですが、印刷は凸版でされています。オフセット印刷と比べると白インキの濃度がしっかり出ているのが特徴的です。色数はCMYK+白の一般的なものですが、インキの濃度や網点の再現性などとてもハイレベルに印刷されています。成分表示部分もデザインが物語を感じさせられるようなデザインになっていて、瓶に貼られた様子もとても目を引きます。オフセット印刷に負けない表現を凸版で見事に再現されていると思います。

経済産業省 商務情報政策局長賞 作品403 複合印刷

こちらは焼酎のラベルですが、上位2作ともまた違った風合いで仕上げられています。マーブル調などの細かいデザインは実は印刷精度的に逃げられる要素もあるのですが、こちらはしっかりと見当を合わせられていて、とてもインパクトのある模様になっています。併せてエンブレム風の浮き出し加工もしっかりと施されていて、とても上質なイメージを表現されています。

規定課題(平圧)講評

今回の平圧規定課題はマットコートにスミ+特赤の2色刷りだったので比較的取り掛かりやすい課題だったと思います。ただしもちろん何も手を掛けずに印刷できるようにはなっていません。赤版はマットコートにベタ白抜きで色合わせとベタのつぶしに気を使い、スミ版は毛抜き合わせも大変ですが細かい網点を奇麗に再現できたかもポイントです。ウエットでの重ね刷りではそれぞれのインキの刷り順や柔らかさでにじみ具合を抑えることが出来ますが、ちゃんと調整できていた作品はスッキリと仕上がっていました。顔の赤み具合を気にして調整されているというご意見も頂きましたが、普段の製造時にもそういった細やかな気遣いが出来るよう意識していただければと思います。

規定課題(輪転)講評

輪転規定課題は前回同様プロセス4Cでした。今回はデザイナーさんに「A4サイズの冊子の表紙をイメージしてデザインして」とお願いしてそれを縮小したので、小さい文字や線の細さでも難易度が上がりました。今回もオフ校の色味に合わせるために製版段階での調整に大変手間が掛かったと聞きました。AM・FMスクリーンに関しては質問がありましたが、どちらでもOKというお返事をしましたが、奇麗に上がっている作品に関してはAM・FM関係なくちゃんと仕上がっていました。それ以上に気になったのは、重なり部分の太らせ方です。毛抜きでピッタリ合わせるのがベストですが、太らせ方が多いものに関しては減点の対象になります。毛抜き合わせで白が出るよりましですが、太らせる量にも注意しましょう。あとは毎度のことですが、Y版の見当合わせが甘い作品が少なくありませんでした。
さてラベルコンテスト用の作品の印刷に皆さんどのくらいの手間と材料を掛けていらっしゃるでしょうか?本来ならばメートル数に制限を設けて審査したい部分もありますがそれを確認する術がないのでしていません。普段から如何に製造工程でのロスを減らすかも大事なことですので、奇麗な印刷と併せて手際のよい作業をすることも目標にしてください。

自由課題講評

今回の自由課題出展作品は少々面白みに欠けたというのが正直なところです。上位3賞に関しては作品の仕上がりはもちろん秀逸でしたが、3作品とも銀ツヤ材質に印刷したお酒のラベルという結果となりました。他のジャンルの作品もより一層人目を引くような仕様になるよう、オペレータ・営業・デザイナーが一体となって印刷に取り組んでいただければ素晴らしいシール作成が出来ると思います。またデジタル印刷機のラインナップも増え、印刷方式を問わずに様々なシール印刷が出来る昨今ではありますが、印刷技術はもちろんの事、如何にお客様の要望に応えられるかにとどまらず、良い意味で期待を裏切る素晴らしいラベルを印刷出来るよう各社一丸となって取り組んでいただけましたら幸いです。これからも多くの素晴らしい作品のエントリーを期待しております。







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