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「第33回シールラベルコンテストラベル」結果発表

2023.10.13

当連合会は10月13日(金)「第33回シールラベルコンテスト」の結果を発表した。
同日開催の第65回年次大会・金沢大会(ホテル日航金沢)にて発表・表彰式を行った。
同コンテストは6月5日から7月19日を応募期間として開催され、全国の組合員・会友から、59社98作品(昨年49社82作品)の応募があった。このうち応募に際して特別な制限がなく技術・デザイン両面を評価する自由課題には27作品(昨年23作品)、連合会の技術・特許委員会が用意した版下データを用いてレタープレスの技術を競う規定課題の平圧部門は27作品(昨年20作品)、同輪転部門への応募数は44作品(昨年39作品)だった。
同コンテストの第1次審査は、7月28日(金)全日本シール印刷協同組合連合会3F会議室において、技術・特許委員9名、連合会田中会長らが参加して行われた。
同審査会では、最初に鶴田委員長から審査基準の説明があって、「基本技術点」「応用力」を審査・採点して上位24作品(規定課題上位2作品を含む)を選んだ。
第2次審査は、8月4日(金)東京・上野精養軒において、一般社団法人日本印刷産業連合会3名、全日本シール協賛3名、計6名を審査員として招き開催して、経済産業省の当担当課の目黒課長補佐、津守係長がオブザーバーとして参加した。
審査員は、第1次審査会で得点上位の自由課題24作品に、印刷技術やデザイン等を評価して最も優秀と思われる作品を1つ(5点)、優秀と思われる作品を3つ(各2点)選出した。その後、第1次審査の得点に第2次審査の得点を加算して第1位が経済産業大臣賞、第2・3位が経済産業省商務情報政策局長賞、第4位と規定課題第1位が一般社団法人日本印刷産業連合会会長賞、第5位と規定課題第2位が全日本シール印刷協賛会会長賞に決定した。この結果、経済産業大臣賞は精英堂印刷梶i東北協組)の作品となり、同社は4年連続9度目の受賞となった。

第33回シールラベルコンテスト応募状況(確定版)

応募社数 59社(49社) 作品数 98作品(82作品)
自由課題 27作品(23作品) 規定課題 71作品(59作品)
平圧27作品(20作品)
輪転44作品(39作品)
北海道 1社 東海北陸 5社
東北 5社 京都 5社
正札 14社 大阪 15社
ラベル 3社 九州 9社
神奈川 2社    

(  )は昨年値

第33回シールラベルコンテスト講評

規定課題(平圧)講評

今回の規定課題は昨年と材料を変更しアート73kgに特色3色としました。特色3色に何れも網点があるデータで、網点のパーセンテージ調整によるサンプル印刷物の発色に近づけることを主眼に置いた作品が多く見られた印象でした。逆に、審査基準のB網点とグラデーション、Cインキのノリとムラを追求したせいで、ベタと網の発色がサンプルから離れてしまった作品も見受けられ、その両者のバランスが難しかったのかもしれないと思われます。今後のアドバイスというほどではありませんが、審査員はまずD色の正確性を見る方が多いようですので、まずサンプルとの色の近さは重要視したほうが良いのかもしれません。

規定課題(輪転)講評

輪転課題についてはCMYプロセス3色+特色の合計4色としましたが、今回材質を上質55Kgとしました。私を含み、凸版の輪転印刷機で上質にプロセスカラーを印刷するということはあまりしてこなかった方も多いのではないかと思います。上質紙は他の紙より沈み量が多く、版材の硬さ、インキの硬さのチョイスをうまくかみ合わせないとデザイン通りの発色が難しいという想定で上質を選択したのですが、出展作品を見ると非常によくプロセス部分の色が出ていて、規定課題出展者の皆さんの平均レベルの高さを痛感しました。ただ、そこに主眼を置きすぎたせいで網点やグラデーション部分の処理(特に切れ目部分)、外周のエンジ色(特色)の色合わせ、プロセス3色の版のひねりやズレ(特にジグソーの部分)の処理が甘かった作品は点数が厳しかった印象です。もちろん全ての審査項目で最高点を狙って欲しいものではありますが、優秀賞以上を狙うのであれば全項目においてマイナスの少ない作品を目指していただけると、賞に近づいていけると思いますので、そういった視点をもって来年もぜひチャレンジしてみてください。

自由課題講評

コロナ禍において減少した自由課題の出展数は若干回復傾向にはありますが、ピーク時の作品数にはまだ及びませんでした。作品傾向としては相変わらずで、印刷方法を問わず酒類関係のラベルの出展数が最多で、複数の通し回数や特殊インキや箔を使用したものが多く見られました。なぜ毎年酒類ラベルが多いということにわざわざ言及しているかというと、世界ラベルコンテストは各印刷方法の分野の中で「ワイン、酒」とそれ以外を分けてノミネートするため、お酒に関するラベルは競争率が激しく、逆にそれ以外の商品(食品、工業、ジャンルは問いません)にノミネートが薄い傾向、部門次第では日本からのノミネートを見送るジャンルも多数あります。こういった世界の傾向も加味し、来年以降ぜひお酒以外のラベルもぜひ出展を検討していただけると幸いです。

経済産業大臣賞 作品404 複合、ホットスタンプ及びエンボス

清酒のラベルで1工程目が白+プロセス4色、2工程目がエンボスとUVニスによる 浮き出しの加工を施した作品です。印刷担当された方自身も記載していましたが、ラベルサイズが大きく(140o×175o)かつ変形抜き、2度通しのため5色印刷および加工の見当あわせが非常に難かった作品と推察されます。近年複合の部門には、多数のエンボス作品が出展されていますが、エンボスの見当あわせについては審査員も特に注視して採点をします。本作品はその中でも平均して審査項目が高得点を取った点と、印刷とエンボスの組み合わせによる視覚効果が非常に効果的であった点が評価されたと思います。

経済産業省 商務情報政策局長賞 作品401 複合、ホットスタンプ及びエンボス

こちらも清酒ラベルでマットコートにオフセット4色、加工として透明ホログラム箔を押しています。この作品の良い点はとにかく見当精度が素晴らしい。シンプルなプロセス4色は審査員も見当精度についてとにかく厳しく見がちですが、本作品は私の見た中ではトップランクに近い見当精度だったと記憶しています。プロセスの抜き文字のずれもルーペで見ても視認できないレベルで合っていました。もしかすると、透明ホログラムの加工であった点から応募用紙に貼り付けされた平面と酒瓶の曲面に貼られた印象が違う作品だったかもしれません。

経済産業省 商務情報政策局長賞 作品403 複合、ホットスタンプ及びエンボス

すでにお気づきの方はいると思いますが本講評に選ばれた3作品は何れも複合部門、さらには日本酒のラベルであった為、上位作品については非常に僅差の結果でした。本作品は1工程目に白+CMY+ツヤニス、2工程目でリオトーン加工、3工程目でエンボス加工が施されています。ユニット数の関係でCMY3色で黒文字を表現しなければならなく、白とCMYの見当がズレるとすぐに気づいてしまうという点についてよく見当合わせができていたと思います。中央部分の銀(材料の銀ツヤホイルが見える部分)部分も白のグラデーションを途切れる部分が出ないよう上手く処理しています。強いて言うなら、背景のクリーム色はマイクロ文字のエンドレスパターンで構成されているのですが、Y100で印刷されているのでルーペでも文字が読みづらかったり、審査員に気づいてもらうアピール点として弱かったかもしれません。







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